観た:シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション

シャニ3rdの感想がまとまりきらないので*1今日アマプラで観た映画の話。

 

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション

いわゆる実写版シティーハンターですね。

いや今更?って感じはあると思うんですが、ぼくは昔っから「基本的に映画館に行って映画を観る習慣がなく、気になる作品であればあるほど足が遠のく」という、まあまあ最悪なパッシブスキルを持っていまして、基本映画は地上波放送なり配信なりで後追いするのが基本なんですね。*2

「なんでそんなことになるの?」って言われると、まあ作品に集中したくても一度周りとか前方の客の挙動が気になると一生そっち向いて舌打ちしそうになるからとか評判聞くまで行く気にならないけどちょっと二の足を踏んだタイミングでネタバレ食らって何もかもどうでもよくなったりするからとか色々あるんですけども、そんなわけで今回も後追いでの視聴となったわけです。

 

※超当たり前ですが以下本編ネタバレにつき注意

 

そもそも僕はシティーハンターという作品の魅力っていうのはうまい具合にコメディとガンアクションとハードボイルドな人間ドラマがバランス良く含まれた幕の内弁当みたいなみたいなイメージで、実写化に際しては「その辺りがうまく再現されている、というか"まんま"だから観とけ」という熱心な勧めがあり、たまたまPrimeビデオのとこにバナーがあったので「まあ観るか……」となったわけです。(軽いじゃねえか)

舞台はフランス、冴羽獠が飛行機に乗るらしい*3ぐらいの予備知識ぐらいしかなかったんで「いやホンマに?」って内心半信半疑だったんですが、冒頭10分で「あっこれ絶対面白いわ」って確信できましたね。
当然の権利のように戦闘中のアクシデントで股間丸出しになるわ、例のカラスで股間隠すわ。
あとまあ洋画にありがちな「話はn分前に遡る…」パターンでの始まり方のわりに、省くべきところまできたら「はいこっからさっきの戦闘シーンな!流石にまだ覚えてるっしょ?」とでも言わんばかりにサクッと省いちゃったりするテンポの良さも好印象でした。

まあ強いて言えばのっけから海坊主っぽい兄ちゃんと不幸な一般人巻き込みつつめっちゃ殺し合ってて「あーまあこのへんは海外での実写化特有のアレかな〜(笑)」とか思ったぐらいなんですが、まさかそれ自体が伏線になっているとは。ホントこれ監督フランス人じゃなくて日本人じゃないの?

海坊主「っぽい」という書き方はしちゃったけど、原作キャラのキャストの皆さんがめちゃくちゃわかりやすいんですよね。
冴子(向こうではエレーヌって言うらしい)役の人とか、「あーまあ準レギュラーだし冴子も出るんだよな」ってすっごいスムーズに理解できちゃったもんね。それはそれとしてあのダッチワイフはヤバいと思う。

テンポよくシナリオを進めつつも脱線すべきところでは徹底的にボケ倒すメリハリの良さも光る。
ことコメディリリーフとしてのパンチョの名脇役っぷりは全編通してMVPだったと思う。
まあ序盤のスキッピーんち踏み込んだ時の義母のアレっぷりとかはいやそれはもうええわ!ってなるというか、ちょっとクドかったけど。

んでまあガンアクションっつーか戦闘シーンね。デケェ乳に騙されてスクラップ場?でまんまと捕まってからの一人称視点での戦闘シーンはめちゃくちゃ良かったですね。今作最大の「あーこれ劇場で観ときゃよかった…」ポイントはここ。
終盤の二人での戦闘も、香(ローラ)が守られ、助けられながら獠(ラーソン)と並び立つっていう文脈があってからのあのスタイリッシュアクションなのでまあ見入ってしまいますよね。でもガンストラップで下げてる銃撃つのは怖くね?とはちょっと思った。

あとこれすごいなーって思ったのが冒頭の海坊主のバイク撃つシーンと最後の壁抜き射撃のシーンで、冒頭のシーンがラーソンの視点からレッドブル貫通したり群衆すり抜けたりしながらバイクにヒットで「基本この男が撃つ弾に無駄弾は一切ないよ」ってのを示しつつ*4、最後の最後でさっきから壁にヒットしてた謎の銃弾の主は〜〜〜?って狙撃地点にズームインしてって、「はい死んだと思われてたラーソン本人でしたー!」ってなるのがまあそれは話の流れ的にわかってるんだけど、カメラワーク含めて粋だなぁと。

そう、さっきも本当は日本人なんちゃうか?って書いてて思ったんですけど、色々とやることが不気味なくらいに小粋なんですよねこの作品。

シティーハンターって、たぶん日本の時代劇のサブジャンルでいうと捕物帖とか義賊ものに近いと思うんですけど、なんかそのへんの映像作品履修してました?って感じがあって。

もちろん監督が原作の大ファンだっていう話なんで、まあそら最終的なアウトプットはそうなるやろというのはもちろんあるんですが、なんというかあまりにも漫画とかアニメとかっていう二次元の媒体から3Dの映像作品に起こすうえでの手続きがしっかりしすぎているというか。

最後に、ここまでだいぶベタ褒めだったんで一応「んー??」と思ったポイントも幾つか重箱の隅をつついて挙げておくと

・「これ何回か詰んでるよね?」「いや、そうはならんやろ」「やることが回りくどい!チャー研か!」みたいなシーンはちょくちょくあったので、そのへんで脚本の細々としたガバムーブが気になっちゃう人は多分全編通してめっちゃ気になると思う。僕自身は「お約束だわなあ」って感じだったので大丈夫だったんだけど。

・終盤の、爆発に巻き込まれた敵の中ボスっぽいのにおバカ2人が人工呼吸しに行くシーンで「実はそれもう完璧に死んでるんすよね」って判るところは、まあ〜多分戦闘シーン続いた分のお釣りというか、焼肉屋の会計の後でミントの飴あげます的な配慮で差し込んだんだろうなあという理解はできたものの、あまりにも絵面がハードコアすぎて「いやこれちょっとスキッピー不憫すぎん…?」と同情してしまった。なんか、このシーンだけはちょいと日本的じゃないというか、向こうのノリでは大爆笑なんだろうなあ……って差異を感じたところだった。

ジェシカ・フォックスについては、「いやこの人カリスマモデル的なポジション?の脇役にしてはちょっとブサイクすぎんか…?」って第一印象が頭から離れなかった。これはまあ完全に好みの問題だし、スキッピー諸共コメディ担当の立ち位置だったんだとしたら納得なんだけど。

 

まあとにかく丁寧に作られた作品だったし、最後はちゃんとアスファルトタイヤを切りつけるやつ*5なので、未視聴なのにうっかりこの記事を読んでしまったかわいそうな人達は是非観てみてほしいなと思いました。

*1:書いてはいるんですけど10000文字超えちゃったうえにミリ7thのことも書きたいので、端折るかなにかする予定です。そもそも需要あんのかは知らん

*2:なんならことシティーハンターで言えば新宿プライベート・アイズもグダグダ行くか行かないか悩んでたら上映期間が終わっていたので

*3:原作では過去のトラウマで飛行機苦手な描写がある。アニメではわりとなかったことになってるけど。

*4:いやまあ途中何発もあったかもわからんが、キメのときはって感じな

*5:僕は字幕版観たんで「いやそう繋ぐんかい!」ってなったけど、吹き替えだとちゃんとGet Wild流れるっぽい